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傷あとを目立ちにくくする治療法

傷あとを目立ちにくくする治療法

手術をするのはやむを得ないとわかっても、「傷あとはできるだけ残したくない・・・・・・」と思う人は少なくありません。そうした声に応えて、傷あとを目立たなくする工夫をした治療もおこなわれています。実際にどんな治療法があるのか、見てみましょう。

傷の種類によって治療法は違う

皮膚の傷を治療する方法は、傷口を縫い合わせる「縫合」だけではありません。傷には「切り傷」「すり傷」「刺し傷」などいろいろな種類がありますが、治療法もそれぞれに応じて最適なものを選択します。

傷の種類

外科手術の切開によりできた傷

切り傷(1)

切り傷(2)

いろいろな傷の治療法

縫合

傷ついたところを縫い合わせる方法。針を使うので、麻酔をかけなければならない。傷がふさがった後の抜糸も必要となる。

皮膚用ステイプラを使う

傷ついたところをホッチキスの針のようなもので固定する方法。治療時間は比較的短くてすみますが、傷口がふさがった後、針を抜去する必要がある。

皮膚用テープを使う

傷ついたところを合わせて、テープで固定する方法。治療時間は短い。

皮膚表面接着剤を使う

傷ついたところを合わせて、接着剤で固定する方法。
治療時間が短く、傷口がふさがった後、糸や針の除去は不要。
縫合や皮膚用ステイプラを使用した場合と比較し、手術の痕が目立ちにくい。

傷あとを目立ちにくくする治療法(1) ~真皮縫合~

真皮縫合を行った傷あと
写真提供:
自治医科大学病院形成外科 菅原康志先生

傷あとを目立ちにくくする手術が広まりつつありますが、その一つが「真皮縫合(しんぴほうごう)」です。

「皮膚の構造は大きく分けて3層」のところで紹介したように、皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つに分かれています。真皮縫合とはその名の通り、真皮の部分を縫い合わせる方法のこと。傷あとを目立たなくするのが最大の利点ですが、ほかにもいろいろな利点があります。

真皮縫合による治療の利点

  • 傷あとが目立ちにくい
    真皮縫合では、皮膚の一番上にある表皮ではなく、内側にある真皮を縫合します。縫い目や結び目が皮膚の表面に出ないので、傷あとが目立たちません。
  • 傷口があまりつっぱらない
    表皮で強く縛る必要がないため、傷口のひきつれなどが起こりにくくなります。
  • 抜糸が不要
    真皮縫合の手術では、ほとんどの場合、抜糸は不要です。抜糸をいやがる小児の治療はもちろん、抜糸は苦痛だという患者様は多いので、精神的苦痛を取り除くことにもつながります。

傷あとを目立ちにくくする治療法(2) ~皮膚表面接着剤~

さらに「真皮縫合」をした後の表皮に「皮膚表面接着剤」を使う方法もあります。外科手術の場合は、「真皮縫合」+「皮膚表面接着剤」という組み合わせで行い、「皮膚表面接着剤」単独の使用はしません。皮膚表面接着剤とは病院で医師により使用される接着剤のことですが、他にもいろいろな利点があるので、特徴と合わせてご紹介しましょう。

皮膚表面接着剤を使った治療の利点

  • 傷あとが目立ちにくい
    しなやかなフィルムで傷口を覆います。縫合やステイプルと比較して糸やホッチキスのような針がないため、傷あとが目立ちにくくなります。フィルムは自分でこすったり、はがしたりしなければ、自然にはがれ落ちるまで傷口をおおっています。ただし、フィルムに直射日光や強い光をあてたり、他の薬を塗ったりすると、フィルムが弱くなることがありますので注意してください。
  • 皮膚表面の抜糸が不要
    皮膚の表面を縫う必要がないので、それに伴う抜糸が不要になります。抜糸をいやがる小児の治療に適しています。
  • 痛みや不安が少ない
    浅い切り傷の場合など傷の程度によっては麻酔を使わないで治療を行いますので、痛みや治療中の不安が少なくなる場合があります。
  • シャワーを浴びても大丈夫
    フィルムが傷口をおおっているため、治療後シャワーも可能です(シャワー浴の可否については医師にご相談下さい)。汗をかいたりシャワーなどでフィルムが濡れた場合には、乾いたタオルでフィルムの上をやさしく拭いてください。ただし、水泳などのように長時間フィルムを濡らすことは避けるようにしましょう。

皮膚表面接着剤を使った治療の流れ

皮膚表面接着剤は水より少し粘りがある液体です。皮膚に塗った後、しなやかなフィルムとなって傷口をおおいます。また、切り傷や縫合時の固定には適していますが、擦り傷の治療には適していません。傷の場所や状態によっては使用できない場合もあるので、医師の判断に従いましょう。

(1)治療

皮膚の洗浄・消毒の後、表面を乾燥させ皮下縫合を行い傷口を合わせ、2回塗布する。

(2)数分後

塗布した後しばらく経つと、フィルムになって皮膚を固定する。

(3) 5~10日

傷口が治ってきた頃、フィルムははがれ落ちる。
※手術後4~5日以内にフィルムがはがれたり、何らかの異常が生じた場合にはなるべく早くかかりつけの医師にご相談ください。

皮膚の治療中に注意すること

せっかく最適な治療を受けたのに、無茶をして治りを遅らせてしまった・・・なんてことは避けたいですよね。そこで、皮膚の治療中、どんなことに気をつければいいかをまとめてみました。回復を早めるのも遅らせるのも、日頃のちょっとした心掛け次第です。

  • 傷口はできるだけぬらさないようにする。
  • 傷口をかいたり、こすったりしない。
  • 激しい運動や作業はさける。
  • 病院で消毒や包帯の交換を行っている場合、自分の判断で治療を中止しない。

ワンポイントアドバイス

私達の皮膚は、一見いつも同じように見えますが、常に新しい細胞を作り出してくれるおかげで、傷を負ったときも自然と治るようになっています。ただ、大きな傷、深い傷の場合には、ここでご紹介したいろいろな治療方法の助けを借りなければなりません。傷ついた皮膚にとってマイナスになることは避け、早く、きれいに治すようにしましょう。

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