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不整脈 / 心房細動

薬による心房細動治療について

薬による心房細動の治療

心房細動では、心房で頻繁に異常な電気信号が発生することから心拍が速くなり、心臓に余計な負担がかかってしまいます。そこで薬を使って心房細動が起こらないようにしたり、心拍数(レート)をコントロールしたりします。また、心房細動があると血栓ができやすくなりますので、血栓を予防するための薬を服用することもあります。

心拍数コントロールと抗不整脈薬

心房細動に使用する薬には、心拍数が速くならないようにする薬と、心房細動の再発を抑える薬があります。

①心拍数が速くならないようにするための薬(レート治療)

心房細動中に心室に伝わる電気信号を減らして、心拍数を正常に近づけます。心房が速く小きざみに動いている状態は変わりませんが、心拍数を整え、自覚症状を改善させることを目的としています。

②心房細動の再発を抑え、リズムを正常にするための薬(リズム治療)

心房の心筋に直接作用することで、心房の異常な興奮を 抑え、拍動を正常なリズムに整えます。抗不整脈薬といいます。心房細動のきっかけとなる異常な興奮の源や、心房内で回り続ける電気信号に作用することで、正常の拍動に戻すことを目的としています。

抗凝固薬(血をかたまりにくくするために)

心房細動が起こっていると、心房内で血液がよどんでしまうため、血栓ができやすい状態になります。心房内にできた血栓は、左心房から脳へ運ばれ、心原性脳梗塞を引き起こす危険性があります。そのリスクがある方は血栓ができないように薬を内服する必要があります。
特に、下の表で点数が高い方は血栓ができやすいといわれており、現在は1点から抗凝固薬が推奨されます。医師に相談しながら、適切な治療を受けましょう。

根治を目指す心房細動治療とは

根治を目指すカテーテルアブレーション

カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)を行うと、心房細動を根治できる可能性があります。

カテーテルアブレーションを検討する場合

薬物治療を行っても再発を繰り返す患者さんや、症状が強い方が基本的に適しています。ただし、長期(数年間以上)にわたり心房細動が続いている方や、左心房が大きくなっている方、また、高齢の方(80歳以上)は適応にならないことがあります。左心房内にすでに血栓ができている方は対象となりません。

体への負担が少ないカテーテルアブレーション治療

カテーテルアブレーションでは、異常な興奮の原因となる電気信号がでる部分の心臓の筋肉(心筋)に電極カテーテルを使って小さなやけどを作り(焼灼)、無秩序な電気信号を抑えるようにします

カテーテルアブレーションを行うときは、局所麻酔をかけて、太ももの付け根や首の静脈からカテーテルをいれます。そこからカテーテルの先端を左心房に到達させます。カテーテルをいれる治療創が小さいため、体への負担は大きくなく、入院日数も1週間以内と短くてすみます。

カテーテルアブレーション治療の合併症

カテーテルアブレーション治療において、まれに合併症が起こることがあります。心臓や血管を傷つけることや、心臓の中にあった血栓による脳梗塞、食道の障害などです。

カテーテルアブレーションの流れ

カテーテルアブレーション後の受診と日常生活

退院後は、定期的に外来受診をします。血栓ができることを抑えるために、しばらくの間、抗凝固薬が処方されます(中止できる方もいます)。
カテーテルアブレーションの治療を一度受けて効果が得られなかった場合には、根治を目指して2回目の治療が行われることがあります。脈の状態が安定したら、日常の活動制限や運動制限はなくなります。

心房細動治療への理解を深めるためのQ&A

Q: 心房細動ではどのような検査をしますか?
A: 心電図検査、24時間心電図検査、心エコー検査、また原因となる病気の有無を調べるために甲状腺機能や血液の検査などが行われます。
Q: 心房細動治療のための薬はどれくらいの期間飲むのですか?
A: 薬による心房細動治療は根治する治療ではないので、継続して飲み続ける必要があります。自己判断で中断せず、気になることがあれば。主治医に相談しましょう。
Q: 心室細動と心房細動はどう違うのですか?
A: 心臓の中で正常に動かなくなる部分(部屋)が異なります
心室細動は、血液を全身に送り出す心室という部屋がけいれんする病気です。心臓がまったく動かなくなるため、速やかに適切な治療を行う必要があります。自動体外式除細動器(AED)が有効な場合が多いので身近なAEDを使えるようにしておきましょう。
心房細動の場合は、心臓の機能は低下しますが、まったく動かなくなるのではありません。そのため、心臓の状態を確認しながら、患者さんの状態に応じ、適切な治療を進めていく必要があります。

心房細動の見つけ方

図のように手首の内側の親指側に3本の指をあて、脈をとります。脈が時計の秒針のように規則正しく打っていれば正常です。不規則に乱れていたり、速くてとりづらい場合は心房細動が疑われます。かかりつけ医を受診し、心電図検査を受けてください。
また不整脈でお困りの方はかかりつけ医に相談し、不整脈専門医を紹介してもらってください。

【 監 修 】
社会福祉法人恩賜財団 済生会熊本病院
心臓血管センター 不整脈先端治療部門
最高技術顧問  奥村 謙 先生
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