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産婦人科の手術

手術による癒着を防ぐ

手術後に起こりうる「癒着」を防ぐことは、産婦人科の手術においてもとても大切です。
この癒着を防ぐ方法を、詳しく見ていきましょう。

癒着とは?

手術した器官や組織が、手術後お互いにくっついてしまうことがあります。手術などにより損傷を受けた組織や臓器表面が、お互いに接触したまま組織の再形成が行われるために癒着が起こります。

癒着と手術後の不妊には因果関係がある

癒着は不妊の原因の1つになることがあり、十分な対策を講じる必要があります。
感染症や骨盤内手術を行った女性で、手術後不妊を訴えるケースがあります。その原因の多くは骨盤内癒着によるもので、卵管が腹膜にくっついたり、卵管がふさがって卵が通過できなくなり、不妊の原因となります。

癒着を防止する方法と癒着の治療

癒着防止や治療には次のような方法があります。

「癒着防止シート」を使用する

手術した場所を吸収性の布状シートでおおい、手術した部分と他の臓器を物理的に分離します。
癒着防止シートは、専用に作られた医療用のシートです。貼り付けた後はゼリー状になって、バリアーのような働きをし、1ヶ月ほど経つと生体に吸収されます。

手術した組織に貼り付ける
子宮内膜症や子宮筋腫の手術や帝王切開術など

手術した部分を覆う
卵管采形成術などの手術をした時など

手術後に薬を使用して癒着を防ぐ

癒着を防止するために、薬により腸などを浮かせ、腹膜との接触を避ける試みや、薬により炎症細胞の出現を遅らせて癒着を防止するなど、いろいろな方法が試みられています。

手術による癒着の治療

手術後、腹腔鏡手術では再度お腹に5~10mm程度の穴を3~4ヶ所開け、腹腔鏡を使ってモニターで確認し ながら癒着している部分をはく離します。

癒着を防ぐために

  • 手術後、可能であれば、できるだけ早く床から離れて、軽く体を動かすようにしましょう。腸などの癒着防止に役立ちます。
  • 皮膚を縫合した場合、手術後1週間ぐらいで抜糸を行いますが、抜糸が終わったからといって傷が治ったわけではありません。筋肉なども弱っているため、無理な運動は避け、徐々に体を慣らしていってください。傷あとをこすらないようにしましょう。
  • 手術には出血がつきものです。また、精神的ストレスから胃腸の働きが悪くなることもあります。手術後は、消化がよく、鉄分やミネラルを多く含んだ食事をとるようにしましょう。
  • 手術後、痛みがなかなかとれないことがありますが、痛みが強い場合、腸閉塞などの疑いもありますので、主治医に相談してください。

ワンポイントアドバイス

女性だけが持つ器官である子宮や卵巣は、生命を育み、生み出すために欠くことのできない重要な役割を果たしています。
しかし、子宮筋腫や子宮内膜症のような女性特有の疾患がそれらの器官に生じることがあることも事実です。そこで、これらの病気を治療していくうえで、女性の妊娠能力を損なわないことが大切になってきます。
患者さんが手術について理解し、安心して手術を受けていただくためのお役に立つことを願っています。

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