検診では「異常なし」でも体に異変が
動悸やめまい、立ちくらみなどの症状が月に2、3回は必ずあって、気にはなっていたんです。
しかし、健康診断でも病院で心電図検査を受けても結果は「異常なし」。
日常生活にも支障はなく、仕事に趣味に、充実した毎日を送っていました。
ところが、ある朝起きると、何かいつもと違うのです。
「今立ち上がったら倒れるな」という感覚に襲われて、救急車で病院へ。
そこで初めて心房細動と診断されました。
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不安なく、自信をもって生きていきたい…その思いから専門医を受診
診断後は、ずっと薬を飲んでいました。
薬を飲むことに抵抗はなかったのですが、
また同じ症状が出るかもしれない、という不安はいつも感じていましたね。
そんなとき、知り合いから「心房細動の治療をするのに、
カテーテルアブレーションという治療方法もある」と聞き、
詳しい話を聞いてみようと専門医を訪ねました。
先生の診察や、心電図や心臓超音波などの精密検査の結果、
私が自宅で測定した簡易型心電図のデータもみていただき
先生の表情や話し方から「この先生なら信頼できる」、そう思いました。
先生は「カテーテルアブレーションの適応になると思います」と
おっしゃったんですね。
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より主体的に生きるために
先生からは、手術以外の治療選択肢についても説明がありましたが、
子どものことを考えると少なくともあと10年は働いていたいし、
仕事でも、やりたいことがまだまだあります。
これから年を取っていくのだから、心臓の状態が今より良くなるとは思えません。
病気がひどくなってから対処するのではなく、
ひどくならないように、できることをやっておく、
それが、より主体的に生きる方法なのではないか――
そんな思いから、カテーテルアブレーション治療を選択しました。
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過去の選択の積み重ねが、今の自分をつくる
これまでも、いろいろな場面でいろいろな選択をしてきて、
その結果、今の自分があると思うんです。
これから先の人生でもさまざまな出来事が起こると思いますが、
その都度、自分自身で選択していきたいですね。
- 心房細動とは
心房といわれる心臓のひとつの部屋が小きざみに震え、心拍のリズムが完全に不規則になる不整脈です。心房細動の合併症として、脳梗塞や心不全などがあります。
- カテーテルアブレーションとは
カテーテルを使って、非常に速く興奮する心房細動の原因場所(心筋)を探し出し、その部位に高周波の電気を流して焼灼(しょうしゃく)する治療です。
監修:東京ハートリズムクリニック 院長 桑原大志先生
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※患者さんの状態や感じ方、治療内容は個人差があります。診断、治療については医師にご相談ください。