私たちの身体を、外界の環境から守ってくれる皮膚。その役割を果たして正しく機能するために、どのようなしくみになっているのでしょうか。まずは「皮膚のしくみ」の基本を勉強しましょう。
皮膚の一番上には表皮があり、その下に血管や神経などがある真皮、そして一番下に脂肪のある皮下組織があります。私達の身体を守ってくれる皮膚は、「表皮」「真皮」「皮下組織」の3つに大きく分かれています。
皮膚の内部構造
表皮…普段目にしている部分で、非常に薄い。平均して厚さ0.2mm。
真皮…血管や神経など大切な組織があるところ。皮膚に張りや弾力をもたせる。
皮下組織…皮膚の土台。皮下脂肪がある。
表皮のしくみ表皮はさらに、角質層、基底層などいくつかの層に分かれています。皮膚は基底層で生まれ、少しずつ形や性質を変えながら角質層にたどり着きます。そして最後に、角質層から、あかやふけとなってはがれていきます。また角質層は、肌を乾燥から守るという重要な役割も持っています。
手術で皮膚を縫い合わせた後、傷がほぼ正常状態まで回復するには6カ月から1年くらいかかります。では、傷がどのように治っていくのか、時間の経過を追って見てみましょう。
(1) けが直後
皮膚が傷つき、血液が傷のところで、固まってくる。
(2) 24-48時間後
傷の縁から細胞が増殖を開始する。
(3) 5-8日後
表皮が傷縁に沿って移動し、傷はほぼ接着する。(抜糸の時期)
(4) 10-15日後
傷の接着が安定する。
(5) 3週間-4カ月後
皮膚の接着が不十分だと皮膚の周囲に発赤、硬化が見られる。
(6) 6カ月-1年後
傷が軟化しほとんど正常と変わらなくなる。
皮膚のしくみが分かったら、傷あとを目立ちにくくする治療法について見てみよう