Caring
健やかな社会を支える努力を称える
カンボジアの明日を支える真の交流

真の交流で人材育成を日本語教育から就業支援まで、カンボジアの明日を支える

ボランティア部門(国際) 鬼 一二三(おに ひふみ)  Hifumi Oni 一二三日本語教室 学校長、123図書館 代表 President, Hifumi Japanese Language School & 123 Library

カンボジアのシェムリアップ州で20年余に亘り、日本語教育や文化交流に尽力してきた鬼一二三氏が、初めてカンボジアを訪れたのは1995年。JICE(一般財団法人日本国際協力センター)に勤め、開発途上国での人材育成を支援していた夫のカンボジア赴任が決まった時でした。カンボジアに渡る直前、「日本語と英語を教えられるようにして来てほしい」と言ってきたのは夫でした。それまで全く経験がなかった上に、準備として数冊の本を買うことしかできませんでしたが、カンボジアに着くと、自宅にはすぐにでも授業が始められる環境が整っていたといいます。自宅の前には、当時読めなかった現地の言葉で「日本語と英語を教えます」と書いてあり、それを見た若者たちが集まるようになっていきました。

シェムリアップ州は観光地・アンコールワットへの経由地で、日本人観光客が多く訪れるため、通訳やガイドの需要は多くありました。教室に集まったのは教育を受けられず厳しい生活を送っている子どもや、職のない若者で、「日本語を学ぶ」ことは「仕事に就くこと」に繋がり、生活の向上を強く意味します。それを知った鬼氏は日本語の指導に専念することを決め、「一二三日本語教室」を開設。その後、書店や図書館のないこの地域に5,000冊以上を蔵書する私設の図書館、「123図書館」も開設しました。
授業は各生徒に徹底的に向き合う個別指導で、語学教育だけでなく人材育成も行うのが特徴です。日中仕事のある生徒の都合にも合わせられるよう、早朝から遅い時間まで対応しています。授業料は20日出席毎の支払いですが、時間の許す限り1日何時間でも受講可能で、費用も格安におさえました。また、親と暮らすことが困難な生徒たちを学校内に住まわせ生活を共にし、就業支援を含めて生徒の自活のために尽力してきました。

アンコール日本人会主催 盆踊り大会にて

アンコール日本人会主催 盆踊り大会にて

日本語能力試験を合格した教え子と共に

日本語能力試験を合格した教え子と共に

また、鬼氏は日本とカンボジアの文化交流にも寄与するため、2007年には「NPO法人アンコールワット日本文化交流会」を設立し理事長に就任。日本人ボランティアの受け入れのほか、訪日したカンボジア人が一般家庭にホームステイできるよう支援も行っており、日本とカンボジアが真の交流を図るためには、国際相互理解が必要だという信念のもと、日本文化を体験して学べる環境を整えています。

多年に亘り人材育成を続けてきた甲斐もあって、教え子が日本語を使って仕事をしている姿をあらゆる場所で見かけられるようになりました。日本で不足している介護の道に進む者や、日本語教師を目指す者が増えたことは、至上の歓びであり、ここまで続けてこられた理由でもあります。そのひたむきな熱意と努力で、現在までの教え子は2,800名を超えました。その一方で教室は未だに整備途上で、教育資器材も依然として不充分というのが現状です。
カンボジアの発展のため、「教育と仕事が平和な社会をもたらす」と信じ続けた粘り強いその活動が、より多くの人々に認知されることを願わずにはいられません。

第13回 ヘルシー・ソサエティ賞
プロフィール
1964年東京都生まれ。1995年カンボジア王国シェムリアップ州にて一二三日本語教室、123図書館を開設。1998年、アンコール日本文化交流会を発足。2007年、アンコールワット日本語教師会設立。同役員として月例会会場提供、首都プノンペンから日本語教育専門家を招聘し、日本語教師会セミナー、アンコールワット国際日本語教育セミナーを企画・実施。NPO法人アンコールワット日本文化交流会を東京都の認証を受け設立、理事長に就任。2008年の発足時よりアンコール日本人会の役員を務め、その後会長に就任。アンコール補習授業校開校と同時に運営委員を務める。2014年度、公益財団法人社会貢献支援財団より社会貢献者表彰を受賞。現在も日本語教育から人材育成まで地道な活動を続けている。

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